「多くの人が見ている場では、緊張して泣いてしまう」ことについて

練習中は緊張することなく練習していたとすると、本番ではいつもと異なる雰囲気に戸惑っておられたのかもしれません。

不慣れな場が苦手、不慣れな人と接することが苦手な場合、多数の人が見ている状況はいつもと異なる不慣れな状況になりますので、苦手な場面と考えられます。

そう考えると、本番当日にどうするかと考えるよりも、練習開始の段階から本番を想定した事前対応・事前準備をするとよいかもしれません。

すなわち練習と本番のギャップをできるだけなくす、練習の過程ではこどもの様子を見ながら段階づけて本番の状況に徐々に近づけるという観点が考えられます。

また、発表する活動がうまくできない、容易に行えず難しいと感じていることも要因の可能性があります。

発表会という大きな催しでこどもの苦労がクローズアップされたとも考えられます。そう考えると、こどもの立場に立って、普段の生活の中で不慣れな場や人が苦手だったり、うまく活動ができないと感じてたりしていないかなどを今一度確認することが大切で、必要な応援ができればと考えます。

できるだけ深く要因を分析し、根本である基盤の育ちも含めて応援することで、不慣れな場や人でも主体的・能動的に関わることができるようになり、こどもの世界がより広がればと思います。

「多くの人が見ている場では、緊張して泣いてしまう」ことについて

株式会社BASEともかな
テクニカルマネージャー
作業療法士/日本感覚統合学会 認定セラピスト/特別支援教育士
嶋谷 和之(しまたに かずゆき)


[経歴]
1988年 京都大学医療技術短期大学部作業療法学科卒業後、
奈良県心身障害者リハビリテーションセンター 勤務
1996年 大阪市更生療育センター 勤務
2017年 奈良県総合リハビリテーションセンター 勤務
2021年 児童発達支援・放課後等デイサービス FLOW 勤務
現在に至る