実践発表・学会発表
奈良県での実践発表・学会発表
奈良県外での実践発表・学会発表
会社では社員の自己研鑽を後押しするために研究助成をしております。これまでの実践発表、学会発表について掲載させていただきます。
これからも引き続き、より良い支援を目指して研鑽し続けます。
奈良県での実践発表・学会発表
奈良県外での実践発表・学会発表
会社では社員の自己研鑽を後押しするために研究助成をしております。これまでの実践発表、学会発表について掲載させていただきます。
これからも引き続き、より良い支援を目指して研鑽し続けます。
FLOWでは社内研修として小西紀一先生を講師にお招きし、ケース検討を続けてまいりました。
ともに学び子どもに還元していくことができればと考え、ケース検討を通して学ぶ貴重な機会を、地域の支援者の方もご参加いただけるようになりました。
子どものセッション場面は直接見ることはできないものの、ZoomでつないだLIVE配信を会場にて視聴できます。
どうぞご参加ください。
日本感覚統合学会入門講習会・感覚統合療法認定講習会の受講を社員研修に取り入れております。
認定セラピスト2名
感覚統合療法認定講習会治療コース修了2名
感覚統合療法認定講習会解釈コース修了1名
感覚統合療法認定講習会評価コース修了1名
感覚統合入門講習会基礎コース修了11名
現在、受講・修了しました上記職員が在籍しております。
引き続き、質の高い支援の提供を行えるよう研鑽に努めてまいります。
ホームページをリニューアルしました。
今後の最新情報やイベント案内などをご詳細させていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします。
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flow HP運営事務局
初めての場所では、はじめての空間の把握、
はじめての空間内にある物やひとの把握が必要になると考えられます。
例えば、初めての室内遊戯室に行った場合、
私たちはどのようなことを思い、どう行動しているかを想像してみましょう。
室内に入ってすぐに
「広いね。床にマットが敷いてあるね。走り回れそうね」
「遊具がいっぱいあるね。あれは大きなブランコかな? 乗ったら楽しそう」
などと思いながら室内を移動し、
探索するかと思います。
「広い(空間)」「床にマットが敷いてある」「遊具がいっぱい」
「大きなブランコかな?」が空間や物の把握であり、
「走り回れそうね」「(大きなブランコに)乗ったら楽しそう」は
空間や物にどう関わるかという考えが思いついている内容と考えられます。
把握においては過去の記憶との照合があり、
先ほどの例においては、一般的には大きなブランコはあまりないものの形状から
「大きなブランコかな?」と、初めての物でも想像して捉えていました。
初めての場所が苦手な子どもは、
このような過程でとまどっているのかもしれません。
床にマットが敷いてあるこの空間は何?
どうしたらいいの?
大きな板にロープがついている物はいったい何?
あれはどうする物なのか?と、
「はてな?」がいっぱいなのかもしれません。
ひとは新規なことに興味・関心を持ちますが、
あまりにも「はてな?」が多いと不安になると考えられます。
また、感覚の過敏さがあると、
初めての場所では予測がつきにくく躊躇する場合があります。
例えば、音に対する過敏さがあると、
いつもの場所では大きな音は鳴らないという安心感があり
入室して遊ぶことができるものの、
初めての場所では「大きな音が鳴らないかなぁ」という不安が先に立ち、
慎重になってしまうことも考えられます。
背景的な要因を探りながらの応援になりますが、
いずれにしても不安が大きいとアクティブな行動になりにくくなります。
「初めてだけど、おもしろそう」と思ってもらえるように、
安心感の中でおもしろさや醍醐味をお伝えして、
ちょっとした体験・探索から段階づけながらすすめることで、
ちょうどよいチャレンジにつながるのではないかと考えます。
株式会社BASEともかな
テクニカルマネージャー
作業療法士/日本感覚統合学会 認定セラピスト/特別支援教育士
嶋谷 和之(しまたに かずゆき)
[経歴]
1988年 京都大学医療技術短期大学部作業療法学科卒業後、
奈良県心身障害者リハビリテーションセンター 勤務
1996年 大阪市更生療育センター 勤務
2017年 奈良県総合リハビリテーションセンター 勤務
2021年 児童発達支援・放課後等デイサービス FLOW 勤務
現在に至る
ご相談例「物を投げてしまいます」について
子どもが物を投げる背景には、さまざまなことが推測されます。
考えられる背景や意味合いとしては、以下のようなことが考えられます。
まず考えられることは、子どもは物を投げるという行動で
主張しているのかもしれません。
子どもにとって不快なことや
要求してもなかなか通らないことなどがある場合、
何とかその状況を変えたいということから、
物を投げる行動になる場合が考えられます。
次に、子どもにとっては、投げることが遊びである場合が考えられます。
物に関わる初期段階としては、物を知ろうとすることから始まると考えられます。
その一つの行動として、物を投げている可能性が考えられます。
物を投げる遊びからその物の特徴に気づいたり、
「こうしたら、こうなる」という因果関係に気づいたりすることで、
物の扱い方に変化が生じ、物の扱い方が多様になっていくと考えられます。
物を投げている中で、物の特徴や因果関係に気づきにくい場合、
投げ方に変化が生じにくかったり、
物の扱い方が多様になりにくくかったり、
遊びの発展性が少なかったりすることが考えられます。
三つめに、遊びを見つけることができず、
結果的に物を投げる遊びまたは行動になってしまったという場合も考えられます。
その際に、子どもの持っている働きや環境などが関係すると考えられます。
例えば、遊びがひらめきにくいものの、
遊びの手本やきっかけがあると遊ぶことができる子どもは、
手本となる他の子どもがいなかったり、
きっかけをつくってくれる大人がいなかったりすると、
遊びが見つかりにくいため、
物を投げて遊ぶことしか見つからないということも考えられます。
そのような子どもでも知っている遊びがたくさんある部屋では
遊ぶことができるかもしれませんが、
知っている遊びがあまりない部屋では遊びが見つからない結果、
物を投げる遊びまたは行動となってしまう場合も考えられます。
四つめに、固有感覚のニーズが高く、
物を投げることで固有感覚を充足しようとしている場合も考えられます。
この場合、ほかにも固有感覚を充足するような遊びや
行動が観察される可能性があります。
五つめに、アイデアが思いついて遊ぶものの、
なかなか成功せず失敗が続き、
投げて遊ぶことしか見つからなかったということも考えられます。
子どもの背景・環境・文脈などは、一人ひとり異なります。
一人ひとりの子どもを広くかつ深く捉えることで、
オーダーメイドの応援につながると考えます。
株式会社BASEともかな
テクニカルマネージャー
作業療法士/日本感覚統合学会 認定セラピスト/特別支援教育士
嶋谷 和之(しまたに かずゆき)
[経歴]
1988年 京都大学医療技術短期大学部作業療法学科卒業後、
奈良県心身障害者リハビリテーションセンター 勤務
1996年 大阪市更生療育センター 勤務
2017年 奈良県総合リハビリテーションセンター 勤務
2021年 児童発達支援・放課後等デイサービス FLOW 勤務
現在に至る
私たちは、さまざまな感覚情報を通して周囲の状況や自身の状態を把握し、
その状況・状態に応じた行動(適応反応)をしていると考えられます。
そうすると、大人がちょっと気になる子どもの行動も、
周囲の状況や自身の状態を把握し、その状況・状態に応じたけなげな行動と考えられます。
例えば、机上活動や学習の際、椅子を傾けたり姿勢をいろいろと変えたりするような子どもの背景には、
その活動や学習をするにあたり、その子どもにとって必要な
感覚情報を充足するための行動と推測できる場合もあるように思います。
仕事中の鉛筆回しや貧乏ゆすりをされる大人の方もおられるかと思いますが、
それは仕事を一生懸命にしようとするがための行動と考えられる場合もあるかもしれません。
感覚情報処理過程の観点から子どもを捉えて、行動の意味合いを推測し、
それに基づいて必要な応援をすることで、
子どもの立場に立ったサポートにつながるのではないかと考えています。
そして、子どもはその過程の中で発達すると考えられます。
株式会社BASEともかな
テクニカルマネージャー
作業療法士/日本感覚統合学会 認定セラピスト/特別支援教育士
嶋谷 和之(しまたに かずゆき)
[経歴]
1988年 京都大学医療技術短期大学部作業療法学科卒業後、
奈良県心身障害者リハビリテーションセンター 勤務
1996年 大阪市更生療育センター 勤務
2017年 奈良県総合リハビリテーションセンター 勤務
2021年 児童発達支援・放課後等デイサービス FLOW 勤務
現在に至る