「子どもがよくボーッとしており、名前を呼んでも返事がありません。無視しているのか聞こえていないのか、どうして反応がないのでしょうか」について。
まず、名前を呼んだ声が子どもの耳に届いているかどうかが考えられます。そのことが気になられるようでしたら、かかりつけ医などでご相談されるとよろしいかと思われます。
以下、名前を呼ぶ声が耳には届いているという前提でお話をすすめます。
まずは、耳には声が届いていたとしても、頭の中では気づかなかったのかもしれません。
イメージとしてですが、大人でも声をかけられたにも関わらず、気づかなかった体験をお持ちの方もおられるかと思いますが、それに近いかもしれません。
また、自身にとって意味ある声として捉えることができなかったかもしれません。
私たちのまわりにはひとから発せられる声以外にも、クーラーの音・自動車の音・食器を洗う音など様々な音が常にあり、その中で意味ある音を捉えようとすると思われます。
いろいろな音の中で、意味ある声として捉えにくかったのかもしれません。
また、「ボーッとしており」とありましたので、覚醒の状態も影響しているのかもしれません。覚醒が低くてボーッとした状態のため、名前を呼ばれた声に気づきにくかったのかもしれません。
その他いろいろな背景が考えられますが、逆にどういう時には返事があるかを考えることも応援につながるように思います。

株式会社BASEともかな
テクニカルマネージャー
作業療法士/日本感覚統合学会 認定セラピスト/特別支援教育士
嶋谷 和之(しまたに かずゆき)
[経歴]
1988年 京都大学医療技術短期大学部作業療法学科卒業後、
奈良県心身障害者リハビリテーションセンター 勤務
1996年 大阪市更生療育センター 勤務
2017年 奈良県総合リハビリテーションセンター 勤務
2021年 児童発達支援・放課後等デイサービス FLOW 勤務
現在に至る