「園ではするものの、家ではしないことが多いです。例えば、家では強く言ってもトイレにぎりぎりまで行かなかったり、風呂に行こうしなかったり、片づけなかったりして遊び続けています。どう関わるとよいのでしょうか」について。
園では「する」ということは、するために必要な能力・技能はあるように思われます。
家では「しないことが多い」ということは、環境や状況によってパフォーマンスが変わるのかもしれません。同じ言葉で表現される活動でも、園と家では、状況・物・周囲のひとが異なりますので、そのことが要因なのかもしれません。
行動のきっかけは動機づけかと思われます。その観点で考えますと、園では「する」という行動、家では「しない」という行動が引き出されることが多いと言えるかもしれません。
言い換えますと、園では「しよう」と思う条件があり、家では「したくない」と思う条件があるのかもしれません。
家では「したくない」と思う条件があるについて少し考えてみますと、例えばゲームや動画視聴などしたいことがあるから、トイレ・入浴・片づけなどする必要のある活動の優先順位が下がってしたくない、楽しい活動ではなく面倒だからしたくないなど、保護者としてはしてもらいたい活動の価値が、子どもにとっては下がっていることも考えられます。
発想としてはいろいろ考えられますが、褒められることは一番の動機づけになるかと思います。
家は子育ての場であるとともに、お互いにくつろぎの場・楽しむ場であるとも言えるかと思います。
とても忙しい日々ですが、どのように子どもと接しているのだろうかと保護者自身がちょっと立ち止まって客観視し、自身の行動を変えることで、子どもの行動が変わることも多いように思います。
大人の思いもあれば、子どもの思いもあります。お互いが心地よい場・時間とよりなるように、応援したく思っております。
株式会社BASEともかな
テクニカルマネージャー
作業療法士/日本感覚統合学会 認定セラピスト/特別支援教育士
嶋谷 和之(しまたに かずゆき)
[経歴]
1988年 京都大学医療技術短期大学部作業療法学科卒業後、
奈良県心身障害者リハビリテーションセンター 勤務
1996年 大阪市更生療育センター 勤務
2017年 奈良県総合リハビリテーションセンター 勤務
2021年 児童発達支援・放課後等デイサービス FLOW 勤務
現在に至る

